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第10回 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

協奏曲
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一般的に協奏曲は、オーケストラがしばらく演奏して、暖まってから主役の楽器が「登場」します。
最初からピアノが登場して、クライマックスから入る協奏曲が、ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」です。

■ベートヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

ピアノ協奏曲は、主に3楽章構成で、オーケストラとピアノで奏でられる音楽。
ベートーヴェンの場合5曲あります。
ピアノ協奏曲としては、チャイコフスキーやグリーク作曲のものも有名です。
ベートーヴェンのピアノ協奏曲5曲のうち、1~3番も聴きどころは多いのですが、はじめて聴くなら、4番、5番がおすすめです。

特に5番について今回は触れていきます。

■セルジュ・チェリビダッケ指揮とピアノ/アルトゥーロ・ベネディティ・ミケランジェリ

かつて、秋葉原にあったクラシック専門店(石丸電気がやっていたのでしょうか)。そこで見つけたのが今回のディスクです。

私自身のCDのコレクションもそんなに多くない頃。最初の印象は、咳やら雑音が多く、ライブ録音というのはあまり音がよくないなという印象でしたが。。

■チェリビダッケ(指揮)

チェリビダッケは生前、録音を嫌ってCD等の販売がほとんどなかった指揮者ですが、死後、遺族の許可を得て多くのCDが発売されています。

印象は、ゆっくり、音が澄んでいる、精緻というものだと思います。聴き進めていくと、テンポの変化や独特の解釈が楽しめます。

■ミケランジェリ(ピアノ)

キャンセル魔だったとか、妥協を許さず、調律にこだわって開演が遅れたとか。
こだわりの強かった(変人?)伝説もあるようなピアニストです。
ミケランジェリの演奏したものを聴くと、音の透明感。ガラスのような音を聴きとることができ、少ない録音ながら、歴史的なピアニストの一人だったのだなと感じます。

■独特な二人の競演

個性的な二人がぶつかりあう協奏曲となれば、何が起きるかハラハラします。
結果から言えば、お互いの個性を生かした、演奏になっています。

グールド(ピアノ)、バーンスタイン(指揮)のものような事故めいたものは起きません。大人同士の個性がぶつかり合いながら、二人の良いところの競演になります。

■期待に応えるか

期待しすぎると、「肩透かし」かもしれません。
しかし通常に普通にこの演奏をできるということがいかに素晴らしいことか。お互いの遠慮もあるのかもしれません。また、チェリビダッケが大成するのはもう少し後になります。
ただ、この演奏を聴いて、他のベートーヴェンピアノ協奏曲5番「皇帝」を聴いていくと、この曲の基準としてはレベルが高いことがわかります。
基準としての演奏は、ホルストシュタイン指揮、フレードリヒ・グルダ(ピアノ)のものでしょうか。

■ベートーヴェンピアノ協奏曲の仕上げ

様々な演奏を聴くにつれ、この曲の秀麗さに気付くようになりました。CMなどでも流れるほど有名曲ですが、演奏者によって表情はさまざまです。ベートーヴェンがどのような意図で作曲したのか。そんなことを考えながら聴くと、どれが正解かとはいえないまでも、個性的な演奏も楽しいかなと思います。

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