旧ソビエト連邦/ロシアの指揮者は、強奏、爆演系が多いです。
音が大きく強くて、度を過ぎると、品がなくなってしまいます。線も乱れるし、ホールの反響も影響して、音もだぶつきます。CDやレコードの場合音が割れてきます。
「どうだ!すごいだろう!」というのがあまりに見えてしまうときさえあります。
最初は眉をひそめながらも、行きつくところを「超える」と、聴く方も「どんどんやれー!」となっていくこともあります。
その代表格が、エフゲニー・スヴェトラーノフです。
クラシックの指揮者らしくないエピソードも
「チャイコフスキーの悲愴第3楽章での腕組みをして指揮をしないが、音楽は進んでいく。良く訓練された楽団だろうと言わんばかりに」
「体調のこともあり、指揮台に小型の扇風機がある。小さな音の時にどうなるのかと心配させる」
等あります。
CDやレコードは、どうしても音量の上限がありますから、音割れしない程度に録音されています。それでも、かなりの強奏を感じることができます。
スクリベンダムの全集より
フランク/交響曲
ブラームス/交響曲第1番
を聞いてみました。
コントラバスがずんずんうなります。金管、木管、弦楽器とすごい勢いです。
しかし、静音部には悲しさもあります。コントラストが大きく、聞き手としてはわかりやすいのではないでしょうか。
これが、精神性うんぬんになってくるとまた別な演奏をすすめますが、元気のないときなどに、聴いてみるとよいのではないかと。いや元気のないときに聴くと落ち込んでしまうかもしれません。