ショスタコーヴィチの交響曲は全部で15曲あります。
暗く、怖いイメージ、迫力と繊細が入り交じります。
交響曲としては、楽章の編成が変則的なもの、合唱入り等、ほぼ現代の作曲家ですから、なんでもありです。
15曲。このくらいのボリュームになると、1曲ずつ求めるより、「全集」で購入したほうが、作曲家と指揮者の一体感があり楽しめます。
■おすすめ
まず全集で名盤とされるのは、ルドルフ・バルシャイ指揮の全集です。
エフゲニー・ムラヴィンスキー4番以前のものはなく、以降も飛び飛びになります。
5番、6番、7番、8番、10番、11番、12番、15番というところです。7番はモノラルで、8番は近年出たALTUSのものがピッチも整って良いです。
5番の録音は特に多く、いろいろ買い求めないといけません。
ヴァレリー・ゲルギエフ指揮は、一般的には評判はよいのですが、私自身は今ひとつのように感じてしまいます。
エリアフ・インバル指揮は、新・旧あります。新盤の方が音質もよく、演奏も良く考えられ、ベスト盤になる可能性は高いですが、まだ途中のため、一枚一枚値段が高いです。
ということで、ここで取り上げたいのは、ドミトリー・キタエンコ指揮のものです。ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団演奏。
このBOXは、SACDとのハイブリッド版です。
1枚ずつ紙のケースに入っていて、切り取って出します。
CD盤面が見えるように薄紙(透明な紙?)が貼ってあります。このCDのプリント面がソ連を思わせる絵が描いてあり、聞く前から、期待を持ってしまいます。
残念なのは、収録時間の関係で、交響曲の入り方が2枚に渡ったりするところです。
CDで直接聞くので無ければ、いったんパソコンに入れて整理しなおして聴いたほうが良いと思います。
このCD全編音質が良く、一貫したものとなっています。演奏自体も恣意的な解釈は少なく、ショスタコーヴィチ演奏の見本のように思います。
正当すぎて人によっては面白みがないと感じるかもしれませんが。
強奏するときは、さすがにロシアの指揮者で、迫力があります。演奏・音質も含めての好録音で、6千円前後で購入できます。