同じ分野で、数種類の雑誌が発売されていれば、その市場が活況であるとか、その趣味を持つ人が多いとか悪いことではありません。
過去にはゲーム雑誌などたくさんありましたが、現在は「ファミ通」くらい。ブームの頃にはF1の雑誌もいくつかありましたが、かろうじて「F1速報」が出ているくらいです。
自動車(この場合自家用車)の場合どうでしょう。「自動車離れ」と言われて久しいのですが、まだまだ、結構自動車雑誌は出ています。古くからあるものは、広告が減ったのか昔に比べればだいぶ薄くなりました。いくつか読み比べていく中で、情報収集したり、乗り換えの際の参考にしたり、暇つぶしに使う雑誌をご紹介します。
1、月刊自家用車(内外出版社 880円)
「新車をいかに安く購入するか」が主な視点の雑誌です。
この雑誌の良いところは、記事の中に常に「明るさ」があるところです。新車の情報を寄せてもらうためには、メーカーやディーラーとの協力も不可欠ですから、自然、あまり悪いところは書けなくなるのだとは思います。気分が悪くなる記載がないというのは、今の時代貴重かもしれません。
この本の目玉は、「X氏」のコーナー。黄色いページで、いくつかの車を競合させて、値引きを競い、実際に購入するというドキュメントです。
毎月読んでいるといくつかのパターンにはなりますが、面白くて読んでしまいます。「明るく、楽しく、したたかに」ということで、ディーラーとの対決と言うよりは、そのかけひき、家族とのやりとりが面白いところです。こういった交渉術は、他の買い物の参考にもなります。
また、国産車をほとんどの車種の値引き情報が記載されています。マイナーチェンジやフルモデルチェンジの時期、人気やリセールの状況などもよくわかりますので、とても参考になる雑誌です。
以前はB5版、現在はA4になり大きくなりました。大きくなって間延びした感はあります。
2、CARトップ(交通タイムズ社 400円)
車に憧れた高校生のころから読んでいました。筑波サーキットでのタイムアタックが主です。ただ、現在の車は、早いかどうかというのが基準では無くなっているので、その点は面白みに欠けます。
さまざまなコーナがあり、長く続いています。メンテナンスなどの情報も豊富です。
ドライビングテクニックや洗車など、車を使っていく上で参考になる記事もあります。
3、ザ・マイカー(文友舎)
月刊自家用車と似ていますが、いまひとつ情報が少なめに思います。
こちらは、あまり「明るさ」がないのかもしれません。国産車限定ですが、全車の情報が載っていますので、購入を検討する場合にはよいのかもしれません。
4、Driver(八重洲出版)
各評論家、ライターが無名の方が多いので、情報がどの程度正しいのかどうか難しいところです。
しっかりしたリポートもあります。薄く風前の灯火という感もありますが、長く続いています。
5、カーグラフィック(カーグラフィック)
伝統にあぐらを書いた雑誌です。厚く重く高い。中身はたいした記事はありません。
この雑誌には、厳しい評価をしても良いかと思いますが、伝統なのか何なのか、書店に偉そーに鎮座しています。
記事は過去の焼き直しも多く、現在の車に魅力が無いのかもしれませんが、クラシカルな記事が多いです。クラシックカーなら他の雑誌の方が身近に感じられるものがあります。
テストや使用リポートもありますが、非常に薄い内容です。ガソリンを入れたとかタイヤを冬用に変えたとか。そんなの書いて車の何が分かるのでしょうか。
隔月で価格表が掲載されたり、古いテストの結果が毎月載っていたり、もはや誰に向けて作っているのかわからない雑誌です。
作られた当初は、もっと気概があったのかもしれません。雑誌自体が年を取り過ぎたのかもしれません。
6、モーターマガジン(モーターマガジン社)
ほぼ外国車専用です。カーグラフィックに似ています。こちらの方が厚さ薄い物の情報量は多いです。
読んでいて、その車に乗りたくなるような。細かい描写も多く楽しい本です。読んでいると欲しくなってしまうような、内容で、カラーで写真もきれいですが、1,100円とちょっと高いかなあと。