ベートーヴェンの交響曲第1番,第3番「英雄」,第5番「運命」,第7番,第9番「合唱」。
交響曲としても有名なものが多く、迫力のあるものが主になります。印象に残る和音、合唱を付けるなどの挑戦的なものもあります。
■ベートーヴェンの意識は
意識して作曲されているとは思いますが、偶数番の交響曲は、比較的常識的に聞こえます。ただ、それぞれ聴きどころも多く、聴かないのはもったいないと思います。
交響曲第4番は、カルロス・クライバー指揮、エフゲニー・ムラヴィンスキーの指揮で名盤がありますが、二人とも得意な曲が似ているように思われます。この曲ははつらつと演奏すると映えますが、ゆっくり、じっくり演奏すると平凡な曲になってしまいます。
偶数番でもっとも有名なのは、第6番「田園」です。この曲の場合は、だれが演奏してもそこそこに聴こえるということは、作曲がすばらしいのだと思います。第4楽章の冒頭を恐ろしく鳴らせるのは難しいかと思いますが、全体には穏やかな曲です。これは、カルロス・クライバー指揮のものは、テンポが速すぎて、聴きずらいです。
■偶数番の名曲
意外な名曲は、第2番、第8番です。特徴的な旋律(ヒット曲ではないものの)があり、偶数番と組み合わせて聴くと心が休まるようです。
なぜ、偶数番の交響曲に触れたかというと、先日、ギュンター・ヴァント指揮、北ドイツ放送響の、第2番のCDをたまたま聴いたのですが、それがとても新鮮で素晴らしく感じたことからです。ときどき、偶数番の交響曲も聴いていくと楽しいですね。