お気に入りの音楽家の中でも、とりわけ指揮者 エフゲニー・ムラヴィンスキーについては、「良い」とか「好き」とかを通り越しています。がっちり捕まれっぱなしです、
私のDAP(デジタルオーディオプレーヤー「パイオニアXDP-30R」)は、容量の関係で、FLACなどの非圧縮音源で、取り込むと時々、入れ替えが必要になります。その時に聴きたい曲を入れることが多いのですが、よく入っている、聴くもので、ムラヴィンスキー指揮のものをご紹介します。廃盤になっていないCDや配信ですので、手に入れやすいものが多いです。
順不同です。どれが一番かというわけでもありません。情報は調べやすいようにアマゾンなどのショップから貼り付けています。
■ショスタコーヴィチ/交響曲第5番
ショスタコーヴィチの交響曲第5番は、たまたま入ったアマチュアオーケストラの演奏で初めて聴きました。ピアノを含め様々な楽器が恐怖感をあおります。
最後のティンパニと大太鼓が同時に鳴る部分などは、鳥肌が立ってしまいます。
どの楽章も完成度が高く、第3楽章は美しくながれます。
第4楽章の格好良さは格別です。CMなどでも使用されていました。曲の背景などは後から読み物で知りましたが、全4楽章通じて素晴しい音楽です。
アマチュアオーケストラのコンサート後、じっくり聴きたいと思い、CDを買いに行きました。当時、セールで1000円で売っていたように思います。
クラシックのCDの場合、安い=悪いということは「全くありません」。当時の小さなステレオでも、とてつもないスピードで駆け抜けていきます。一人で演奏しているわけではないのですが、しっかりコントロールされています。さらに、録音状態も良いです。
ムラヴィンスキーの演奏は、他もそうですが、強奏やテンポが速いだけではないところに魅力があります。引き出しが多いというか、でもそれを見せつけようといういやらしさがないのです。
最近は、他の演奏者の同曲を聴けるようになりましたが、しばらくは受け付けませんでした。今はそれぞれの解釈を楽しむ余裕は出てきました。
オーケストラ: レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 指揮: ムラヴィンスキー 作曲: ドミトリー・ショスタコーヴィチ CD (2000/7/14) ディスク枚数: 1 レーベル: ALTUS ASIN: B000ICM8UK JAN: 4543638000029 |
■ブルックナー/交響曲第9番
ムラヴィンスキーとソ連の音楽との相性がよいであろうことはよくわかります。DVDで見たところ、ブラームス、ブルックナー、ベートーヴェンなどのドイツ作曲家も得意としていたそうです。
ブルックナーのCDとしては、第7番、第8番、第9番と発売されています。残念ながら、交響曲第7番、第8番ともモノラル(ステレオかもしれませんがレンジが狭い)であまり録音状態が良くありません。ブルックナーの重厚さまではこの録音状態では感じられません。
こちらの第9番については録音も良く、丁寧な演奏です。演奏時期が晩年にちかいので、そういう演奏になったのかもしれません。第1楽章の終盤の迫力は、恐ろしいほど。第3楽章は、本当に静かに進み静かに終わります。
オーケストラ: レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 指揮: エフゲニー・ムラヴィンスキー 作曲: ブルックナー CD (2010/5/27) ディスク枚数: 1 レーベル: ALTUS ASIN: B003OBIC48 JAN: 4543638001866 |
■ベートーヴェン/交響曲第4番、ブラームス/交響曲第4番
ベートーヴェン/交響曲第4番は、この盤ではなくても、多く名盤と言われています。ベートーヴェンの交響曲の中では目立たないようですが、演奏によっては、このように名盤になるのだなあというところです。カルロス・クライバーのようなスピード勝負ではなく、スピードがありつつ、一音ごとが深いのです。
ブラームスは、この第4番。どの楽章も素晴しく、何度も繰り返して聴いてしまいました。魔力があるかのような演奏です。
2つの交響曲でお得感もあります。
オーケストラ: レニングラード・フィルハーモニー交響楽団 指揮: エフゲニー・ムラヴィンスキー 作曲: ベートーヴェン, ブラームス CD (2010/5/27) ディスク枚数: 1 レーベル: ALTUS ASIN: B003OBIC3E JAN: 4543638001859 |
■チャイコフスキー/交響曲第5番
順位は付けないといったものの、再生回数は一番多いかもしれません。個人的な年間総合順位のようなものが○年連続というのを取れそうです。
チャイコフスキー/交響曲第5番の録音はいくつかあるものの、こちらは、膝の上で隠し録り(後に認可)したもので、雑音も多く、細かい部分は聴きとりにくいのですが、迫力がすさまじいです。あまり加工しない方が良いというのは、この録音を聴くとわかります。
最初は、このような録音でも発売されるのだと驚いたものですが、発売されて本当に良かった、よく録ってくれたというCDです。
第2楽章が、ふくよかに演奏されます。また、第4楽章コーダが演奏を終わるのを惜しむかのように少しゆっくり終わるのが、他の演奏と違うところです。
発売日 2002年12月13日 フォーマット CD 構成数 1 製造国 輸入 レーベル Altus 規格品番 ALT52 |
■シベリウス/交響曲第7番、チャイコフスキー/バレエ音楽「くるみ割り人形」より抜粋
単一楽章の交響曲、フィンランドの作曲家シベリウスの交響曲第7番。シベリウスの録音が少ないので貴重です。
ムラヴィンスキーは、レパートリーが少ないと言われていますが、海外での演奏機会が限られるため、人気曲を演奏するようになっていったようです。CDをいろいろ集めてみると、古い物では、小曲もふくめ様々あります。
「くるみ割り人形」は組曲ではなく抜粋です。例えば花のワルツなどは入っていません。この組み合わせでは、良い抜粋だと思います。
オーケストラ: レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 指揮: ムラヴィンスキー CD (2003/2/13) ディスク枚数: 1 レーベル: ALTUS ASIN: B000ICM936 JAN: 4543638000548 |
■ショスタコーヴィチ/交響曲第8番
いくつか、ショスタコーヴィチの交響曲第8番のCDは出ていましたが、こちらが発売されて、決定版となったところです。
録音の関係で、ピッチが高かった過去のものと比べ、演奏が自然です。やはり第3楽章が素晴しいです。
演奏: レニングラード・フィル 指揮: エフゲニー・ムラヴィンスキー 作曲: ショスタコーヴィチ CD (2015/5/20) ディスク枚数: 1 フォーマット: ライブ レーベル: ALTUS ASIN: B00VSYQRTA JAN: 4543638003129 |
■シューベルト/交響曲第8番「未完成」、ショスタコーヴィチ/交響曲第5番
レニングラードフィルとムラヴィンスキーの演奏は、ボリュームの調整、音の強弱の幅が非常に広いといわれています。
これまでの、「未完成」では、最初の音が聴きとりにくいほど小さかったのですが、このCDでは、聴きとれた上で、音の振幅も大きくなっています。最初の部分を練習する映像が残っていましたが、とても綿密に練習していて、そこが聴きとれるのはうれしいところです。
演奏: レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 指揮: エフゲニー・ムラヴィンスキー 作曲: シューベルト, ショスタコーヴィチ CD (2014/10/20) 注意: SACDの互換機が必要です ディスク枚数: 1 フォーマット: ライブ, SACD レーベル: ALTUS ASIN: B00O0LO78Q JAN: 4543638802890 |
■BOXなどから
ショスタコーヴィチ/交響曲第10番
ショスタコーヴィチ/交響曲第11番「1905年」、ショスタコーヴィチ/交響曲第15番
ショスタコーヴィチ/交響曲第12番「1917年」
上記3つは、ショスタコーヴィチ交響曲選集から。交響曲第4番以前、9番、13番、14番がないため選集となりました。
第10番については、すごい熱量です。聞き終わった後身体が止まってしまいます。
ムラヴィンスキー&レニングラードフィル 1972年 モスクワライブ
1965年版もありますが、当時、ステレオの録音機器が、モスクワにあったそうで、ステレオ化が遅れていた旧ソ連でも音質の良い録音がされています。さらにリマスターされているので、かなり音は良いライブです。この中では、チャイコフスキーの「フランチェスカ・ダ・リミニ」の演奏にのけぞってしまいます。曲の特徴で、うるさくなることもあるのですが、迫力と甘美のなかであっというまの20分の演奏になっています。
チャイコフスキー/交響曲第4番、第5番、第6番
定番です。ハイレゾ、LP、SACD、ブルーレイオーディオ様々作り直されて発売されています。
第4番、第6番「悲愴」はあまり録音が多くないため、この演奏が一番聞きやすいです。様々なリマスター/メディアについては、もとが同じ演奏だけに好みでというところでしょうか。