ピエール・モントゥー・コレクション(ヴェニアスレーベル VN011)
32枚組ですが、最後の1枚には、チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」とベートーヴェン交響曲第9番のリハーサルが収められています。
今日取り上げるのは、このリハーサルです。
リハーサルのCDというのも、最初はこんなもの聴く人もいるのかなという、マニア向け、キワモノと思っていました。このCDにしても英語で話していますが細かい部分はわからないですし、ただ、「ティター」とか言いながら説明していると、だんだん音楽が変わってきます。一定のところで止め、自分のニュアンスを加えていくと、なんということでしょう!ちゃんとモントゥーの思い通りに(なっているのか?)演奏が変わっていきます。
リハーサルも一部の収録ですから、色々細かい指示がされていると思います。これを聴いてから、演奏のCDを聴くと、指揮者の思いがより伝わり、演奏にこめられたものがよくわかります。
そうやって聴いてみると、リハーサルの録音は、マニア向けというより、最初に聴いたほうが良いのではないかと思ってしまいます。曲の理解、指揮者への理解が同時に深まります。ところで、今は、指揮台を棒でペチペチ叩いて演奏を止める指揮者はいないそうです。