final E3000 カナル型イヤホン FIーE3DSS
雑誌やネットで評判の良い、「final E3000 カナル型イヤホン FIーE3DSS」を4月に購入して、これまで利用してきました。
イヤホンやヘッドホンはそのときの自分の調子や聴いている音楽によっても印象が大きく変わります。また、使用している期間でも変わります。
一般に「エイジング」という効果がどの程度あるのかはわかりませんが、半年程度使用してみてのレビューです。
【商品紹介と受賞歴ーAmazonより抜粋】
商品紹介 最新の音響工学、心理学の研究成果を踏まえた音質設計 高い解像度とフラットでナチュラルな音質で、定番と言える製品です。 最新の音響工学、心理学の研究成果を踏まえ、音質設計を行いました。 高音の一部を強調するという一般的な音作りの手法を使うと、一聴して音の鮮やかさを感じさせるのですが、そのことによって、他の音域が埋もれて聴こえにくくなってしまいます。 E3000では、強調した音域を作らないことで、高い解像度と広いサウンドステージを実現しました。 低音から高音までバランス良く再生することで、ホールで音楽を聴いているような音の広がりを体感していただけます。 一聴したときのアピールよりも、長く使うほどに良さを感じる「定番」と呼ばれることを目指した、ナチュラルな音質を追求した製品です。 受賞ビジュアルグランプリ2017 SUMMER ライフスタイル部会 受賞 ビジュアルグランプリ2018 ライフスタイル分科会 金賞 ビジュアルグランプリ2018 SUMMER ライフスタイル分科会 金賞 ビジュアルグランプリ2019 ライフスタイル分科会 金賞 家電批評オブ・ザ・イヤー2018 受賞 ビジュアルグランプリ2019 SUMMER ライフスタイル分科会 金賞 |
オーディオでは、メーカのカタログやアピールポイントはあまり当てになりません。2017年から2019年までの受賞歴は、この価格(5000円程度)の割には多いのでは無いでしょうか。
■低音は豊か、効率は低い
短い言葉での印象は「低音は豊か、効率は低い」と言うことになります。
「効率が低い」というのは悪いわけではなく、アンプの性能次第です。困るほど低いわけでもありません。
私が普段利用しているDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)では、普段利用しているイヤホン「シュアーSE425」の場合は、ボリュームの数値が20程度ですが、「final E3000」の場合は、28~30近くまで上げないと、同程度に聞こえません。
「Final E3000」は、低音は豊かです。普段は利用しないイコライザーで強調すると「聴くに堪えない」音になるので注意が必要です。
自然に鳴らして良い音が出るのが、このイヤホンの評価のポイントです。
音は柔らかく聞こえます。強奏しても迫力を残しながら、変にうるさくならないのが良いです。
■機構的には良くない点も
シリコン製の耳のフックがコードから外れやすく、なくしそうになります。シュアー掛けだけでは無く、通常の装着にも対応しているので仕方ないかもしれません。
また、コードが細いところが気になりますが意外と丈夫です。
また、左右がわかりにくいは大きな欠点かもしれません。銀色に白で「L」または「R」と書かれていますが、とっさにわかりにくく逆に付けてしまうこともあります。
遮音性はほとんどありません。効率の低い状態と遮音性の悪さの相乗効果でボリュームは大きくなりがちです。
シリコンのイヤーピースが動くことで、耳にフィットする構造になっているので、別途ウレタンのイヤーチップを購入するのはお勧めできません。
■まとめ
音圧の強い曲向きだと思いました。交響曲などでも楽器の多いものや音の大きいものは、低音と迫力が相まってとてもよく聞こえます。
静かな曲は外だと特に聴き取りにくく感じます。音の振幅の差は大きく表現力のあるイヤホンです。
このイヤホンでのおすすめは、
エンリケ・バティス指揮ロイヤル・フィルのショスタコーヴィチの交響曲の第5番「革命」
などかと。つまりこういった演奏を聴くには良いかなと思います。
リケーブルできないイヤホンは寿命が短くなりがちですが、高価な場合は買い換えも難しくなります。その点、「final E3000」は、価格も抑え気味で、良い音が楽しめるという点では優秀な商品です。
全てを万能にこなす訳ではありませんので、あまり期待しないで購入すると良い結果になると思います。