クラシック音楽は、聴いてすぐ「これぞ!」というものもあります。
しかし、何度も聴いて、良さが分かって、馴染んで自分のものにしていくという事も多いです。
特に演奏時間が長いほど、何度も聴かないと理解できないものがあります。
マーラーやブルックナーは、レコードより、長時間録音できるCDになってから、人気が高まったとも言われます。
■長い曲の代表、マーラーとブルックナー
私自身、マーラーを好んで聴けるようになるまで時間が掛かりました。
わかりやすいのは、次の3曲。
交響曲第1番「巨人」
交響曲第2番「復活」
交響曲第5番
様々なメロディーにあふれ、どれも個性があります。CMや映画等のも使われているのでなじみが良いのかもしれません。
■また、長いと言えばブルックナーです。
様々な試みがされた、マーラーと違い、ブルックナーは、曲の作りがどれも似ています。
一部だけ聴いて聴いていると、これは、交響曲何番?のような時もあります。
同じようなものを飽きずに作り続け、改訂をし続けたという所に職人的なところを感じます。
聴きやすいのは、次の3曲
交響曲第4番「ロマンティック」
交響曲第7番
交響曲第8番
第8番は、とても長いのですが、ベートーヴェンの交響曲第9番のように合唱はありませんが、壮大でまさにブルックナーの完成形とも言える交響曲です。
ブルックナーの交響曲で、未完に終わった交響曲第9番も魅力的です。
未完で第3楽章まで。作曲の途中でブルックナーが亡くなったとのことで、合唱曲のテ・デウムを4楽章以降にと言うことを言い残していたということですが、別な曲なのでバランスが悪いです。
■ブルックナー交響曲第9番 未完の部分の再現
第4楽章の途中まで作成していたということで、ニコラス・アーノンクールの指揮で4楽章版も試みられています。
参考のCD「交響曲第9番(第4楽章フラグメント付き) アーノンクール&VPO(2SACD)」
アーノンクールの手がける演奏が、ブルックナー位の年代になると、合うのかというところもありますが、4楽章を想像する参考にはなります。
通常の演奏は、第3楽章までで、静かに終わるます。
ブルックナーの交響曲第9番についておすすめは、
カルロ・マリア・ジュリーニ(参考CD)
エフゲニー・ムラヴィンスキー(参考CD)
ソビエトの指揮者ですが、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー等ドイツの作曲家の演奏も秀逸です。
エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮 ブルックナーの交響曲は7、8,9が録音されて残っています。
特に、第7番と第8番はとても録音が悪いです。モノラルかレンジが狭いステレオなのかはともかく音が良くありません。演奏が悪いというわけではありません。
第9番は、Alutusの高音質の録音も残っています。もともとステレオ録音されていた、第9番をリマスタリングしたものです。さらに聴きやすくなっています。
ムラヴィンスキーとレニングラードフィルは、ベートーヴェン、ブラームス、ブルックナー等ドイツの作曲家の演奏にも積極的に取り組んでいたこともあって名演も多いのですが、ソ連の録音環境の悪さを悔やむところです。
ギュンター・ヴァント(参考CD)
こちらは定番中の定番。本や雑誌での勧めも多く、一番最初に聴いた録音です。