ベートーヴェンの交響曲第7番、「ベト7」などと呼ばれますが、「運命」や「田園」のように題名がないため、目立ちにくいかもしれません。
のだめカンタービレの主題歌やソーセージのCMなどで使われていますので、耳馴染みはあると思います。
明るく、テンポの良い曲で、第1楽章の華やかさ、第4楽章のリズミカル感。第2楽章は変奏曲などにもアレンジされています。
■チェリビダッケ指揮・ミュンヘンフィル
セルジュ・チェリビダッケ指揮のものは、ほとんど晩年のものがCD化されており、一言で表すと「テンポが遅い」のですが、この曲の場合、その遅さ
で、曲の良さを失っているようにも思えます。
ただ、曲の説明をされているような気持ちで聴くならば、これも名盤と言えるのではないか。というのも、遅くても、楽器が揃い、済んだ音で発音さ
れるため、ベートーヴェンが描いた楽譜が目に見えるように理解できます。
チェリビダッケは、マニア向けで、色々聴いた人が行き着くところで、正攻法ではありませんが、実は、最初に聴いておくと良い演奏だと思います。
■カルロス・クライバー指揮/
大体の名盤関係の本で名盤とされています。交響曲第5番と第7番はこの曲が、現在の基準となっているのではないでしょうか。のだめカンタービレの
BGMも、テンポ感はかなりクライバーを意識していると思います。
映像をみると、指揮がとても楽しそうです。踊るように指揮をされ、踊るように演奏されます。テンポとリズムのバランスも最高で、最速で駆け抜け
ていきます。あらためて書き記すほどでもなく名盤です。
■ギュンター・ヴァント指揮
ヴァント指揮の北ドイツ放送響のものは、全集などでもでています。演奏の速さは中庸ですが、音は濃密です。このように一糸乱れぬ演奏をできるのは、厳しい練習と指揮者の技術です。
演奏としては、つまらないかもしれませんが、本当にすごい演奏というのはこういうものかもしれません。
■ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
よくわからないときは、カラヤンの指揮のものを買っておけば、音質的には間違いないと思います。ハイレゾで楽しむこともできます。
特にこういう明るい曲は、演奏スタイルとベルリン交響楽団の音色にあっているのではないでしょうか。ただギラギラしすぎて飽きやすいかもしれません。
■その他
ベートーヴェンですので、他にも全集や選集で出しているものが多くあります。オーソドックスなものや古楽器を使ったもの、リストが編曲した、ピアノ版などもあります。
モノラルですが、フルトヴェングラー指揮のものは聞きやすいと思います。同様のスタイルで、クラウス・テンシュテット指揮ののものもおすすめです。