パイオニアのDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)、XDP-30R Private を購入してから、約5ヵ月が経ちました。
毎日の通勤(電車)で利用、ハイレゾプレーヤーとハイレゾイヤフォン(パイオニア SE-CH5BL)の組み合わせで使用した感想です。
この機種については、今回でまとめとしたいと思います。
[XDP-30Rメーカーホームページ]
過去にも何回か記載してきましたので、重なる部分もあると思いますが、正直に記載していきます。
■このプレーヤーをなんと呼んでいいのか。
このプレーヤーが今ひとつ有名になれないのは、愛称が無いからだと思います。
「Private」(プライベート)と言っても、一体何のことやらわからないはずです。
それに比べて、「Walkman」(ウオークマン)や「i-pod」(アイポッド)などは、すぐにわかるほど浸透しています。
以前、MP3を再生するプレーヤも各社から出されましたが、パナソニックや東芝なども良い愛称がつけられず敗退しています。
■手頃な価格で楽しめるDAP
ところで、現在のアマゾンでの価格は、23,114円です。これは、ハイレゾプレーヤーのライバル、SONY WalkmanのAシリーズとくらべても遜色ない価格に落ち着いています。
XDP-30Rについては、本体容量が16GBとハイレゾ音源を利用するには少ないものの、microSDカードスロットが2つあるので、あまり問題にならないと思います。2つ合わせて200GBまで増やすことができますが、容量の大きいmicroSDカードは少し高いため、購入時期(価格変動が大きい)と容量を見極めないといけません。
■形、大きさ、機能
まさに手のひらサイズで、画面も小さいですが使いにくくはありません。ぱっと見たときに曲名が最後まで表示されないので選びにくですが、プレイ中はスクロールされます。
厚みがあり、つくりは華奢ではありません。服やバックのポケットに簡単に収まります。
問題は、ボリューム部分です。ちょっと触ると動いてしまいます。移動中に使うには、ホールドスイッチが必須です。
機能と言ってもシンプルですが、アップサンプリング再生も可能です。ハイレゾでは無い音源もハイレゾらしく楽しめます。
ここまで、様々な曲を聴いてきましたが、全てに効果があらわれています。聴き飽きた曲でも新たな発見があります。特にクラシックは今まで聞こえなかった音も聴こえてきます。これは、ハイレゾではなくても、よく聞き取れます。
レジューム機能が無いことへの不満が多いようですが、停止時の私は電池の消耗を考えると無くても良いかなと思います。ウォークマンにはレジューム機能がついていましたが、使用しないで数日経つと、充電が切れていることがあり使えないということもありました。続きから聴くより、機械を使えることのほうが大切かと思います。
電池については、音源にもよりますし、画面の使用頻度にもよりますが、以前使用していたウォークマンF886よりはかなり持ちます。1日2時間程度の使用で1週間に1度か2度充電すれば良いのでは無いかと思います。
■バランス接続
この機種の特徴は、一般的な3.5mmの端子の他に、2.5mmの「バランス接続端子」がついていることです。
バランス接続の場合、ステレオの左右のチャンネルがはっきり分かれますので、音がはっきりする場合や、音場が広がる感じをより受けることができます。好みもあると思いますが、私は、バランス接続の方が良いと感じます。
2.5mmバランス接続で、手頃なのが、同じパイオニアのSE-CH5です。撚り線で柔らかく、耳にかけやすく音にもダイレクト感があります。服などに擦れて発生するタッチノイズはありませんが、外部音(車の音、電車の音)は若干気になる時があります。また、口径が広いため合うイヤーチップが少ないのも難点です。
[イヤフォンSE-CH5BL]
変換ケーブルを介せば、選択肢はかなり広がります。ハイレゾ対応のイヤフォンは、もう普及帯に入っています。まあ、ハイレゾ対応といっても、聴こえない音の再生ができるということですから、大事なのは、よく聴こえる音域がどうかというところで、好みの曲に合わせて、選べばよいのかとも思います。よくわからず、迷ったら、SE-CH5が良いというところです。
■データ転送ソフトX-DAP Link は最悪
[X-DAP linkについて]
立ち上がりに、すべての音楽ファイルを読むために時間がかかり、転送も遅い。また、転送完了となっても転送されていないケースもあるなど、ソフトとしては使い物になりません。パイオニアやオンキョーのホームページでは、便利そうに記載していますが、本当に試しているのでしょうか。
私は、パソコン内にフォルダを作っておき、そこに転送して本体やmicroSDカードに移します。例えばフォルダ名「2017年11月」として、11月に聴きたい曲をいれるとか、「カラヤン」として指揮者で分けておくなど。
ソニーのX-アプリでも転送ができますが、MP3に変換されてしまいますので、注意が必要です。
他の方法があるので、それですんでいるものの、頻繁な入れ替えをするとなると不便ですので、アップデートで改善希望です。
■まとめ
3万円以内で、これだけの音質で楽しめるプレーヤは無いと思います。今年の買い物の中でも良かったものの一つです。
CDの音質が良くなることは、それだけでもかなりお得な感じがあると思います。
元気のないパイオニアですが、こんなに良いものを作っているのが意外でした。アピールが下手なのかもしれません。
スマートフォンなどでプレーヤーを兼用している方も多くいらっしゃいますが、専用機にはやはりかないません。ノイズの多さや音質の悪さ(こもっている感じ)は優秀なスマートフォンでも感じてしまいます。
音源の良さももちろんあります。無圧縮(FLAC)であることが前提ですし、ハイレゾなら、DSF(DSD)のものも良いかもしれません。
[DSDについて]
ただ、ハイレゾ音源は、通常のものより高いケースも多く、通常音源より多い、容量の問題かもしれませんが、音源の価格は、少し頑張って欲しいものです。