レコードのプレーヤーは、構造がシンプルなことや長年作られてきたこともあり、意外と廉価です。
レコード(アナログ)のポテンシャルを十分に発揮し、デジタルより、よい音で楽しむには、様々な投資が必要と言われています。
安くても良い買い物というのはなかなかありません。
最近のものはモデルチェンジが激しく、安いものほど飽きやすいということもあります。
安い割には良い買い物だった、オーディオテクニカのターンテーブルAT-PL300の紹介です。
私自身は、5年程度使用しています。発売は2009年と息の長い商品です。
ここ数年、LPレコードが見直されるようになって、CD店やネットなどでも5千円程度からプレーヤーが発売されています。
新譜でもレコードが発売されることも増えてきました。
■アナログとは高級なもの
仕組みが単純なアナログは、「お金をかけるほど」良い音が出るということがあります。高級な趣味になっているのです。
「カートリッジ」や「ケーブル」、「インシュレーター」、「スタビライザー」など、さまざまなアクセサリーで良い音を探っていって、当たれば「デジタル(CD)」より良い音がでるといわれ、修行のようなものです。
かける機械はともかく、アナログレコードを聴いたことが無い世代にとってのレコードの「ソフト」としての魅力は、「大きなジャケット」と「こすって音を出すという仕組み」などが、わかりやすく、面白いという珍しさがあります。気軽に音を聞くなら、ダウンロードでもCDでも良いわけで、いきなり高額な機器を購入することもはばかられます。
レコードプレーヤも廉価なものは、形がおしゃれな輸入品やよくわからないメーカーのものも出ています。昔ながらのLPプレーヤーは、日本メーカーのモノ(SONYやONKYOなどでも安価からあります)も、高くない価格からラインナップされています。
その中で手頃なのが、「audio-technica ステレオターンテーブルシステム AT-PL300」です。
■PL300の特徴
○フルオート
盤が回転して、針を落として音が出るのですが、慣れていないとタイミングがよくわりません。このプレーヤーは、ボタンを押すと、回転し始め、針が自動で降りて演奏がはじまります。途中から演奏を聴きたいときはうまく合わせて、針をボタンで上下します。
○フォノイコライザー対応
フォノイコライザー対応のアンプがあれば、ケーブルを刺してそのまま使えます。切り替えることができますので、通常のアンプでも使えますが、フォノイコライザーがあるなら是非使ってみてください。音が小さいときに効果があると思います。
○本体は軽いが
プラスチック製ですから本体は軽いですが、調整式のインシュレータがついていますので、水平に置くことはたやすいです。水平に置くことはアナログの最も基本です。
ターンテーブルはアルミなので、結構ずっしりしています。
○なんとなくゆがんで回る これは何度か調整したのですが、まっすぐは中々回りません。音を聴く限り大きな影響はなさそうですが、これは良くない点です。
○数ヶ月後に回転が速くなる ベルトか湿気かの関係ですが、だんだん回転が速くなってくるようです。 正確に合わせるのは大変ですが、リファレンス盤を自分で持っていると簡単に合わせることは可能です。
裏面の穴に、マイナスドライバーを入れてゴム部分を右か左に回すと回転の速さを調整できます。
○音は良い ここが一番大事なところですが、さすがオーディオメーカーだけあって、音に癖は無く、LPのコンディションがよければ、そのままでCDより柔らかい音がでます。同じ録音を、CDとLPで比べても、不快な音はCDの方が多く感じました。スピーカで聴くと良いも悪いもうまく打ち消して、ほどよい音に聞こえます。ヘッドフォンだと、盤の悪い部分は強調されてしまいます。
○消耗品も安心 専用の針、カートリッジになりますが、交換は可能です。
動方式 | ベルトドライブ |
駆動モーター | DCサーボ |
回転数 | 33/45回転 |
ワウフラッター | 0.25%(WRMS) |
S/N比 | 45dB |
カートリッジ型式 | VM型 |
出力電圧 | 2.5mV(PHONO出力時)/200mV(LINE出力時) |
電源 | AC100V、50/60Hz両用 |
消費電力 | 3W |
外形寸法 | H97×W360×D357mm |
質量 | 2.7kg |
17cm 変換ケーブル(φ3.5mmステレオミニジャック—ステレオピンジャック)
● 別売:交換針 ATN3600L、交換ベルト