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第206話 レニングラードとモスクワ

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■ステレオ録音の時代へ

1950年代中頃から、西側諸国では、ステレオ録音が普及してきました。
フルトヴェングラーは間に合いませんでしたが、トスカニーニは録音できました。
当初のものは、技術的に乏しかったこともあり、音はあまり良くなく、程度の悪いステレオなら、モノラルの方が良い場合があります。

■旧ソ連では、普及が遅れたが

社会主義国ソ連でも、ステレオ技術はありましたが、それらは、モスクワに集中しており、レニングラードでは、長くモノラル録音が続きました。
都市によって、技術のランク付があったようで、モスクワと他の都市では大きく区別されていました。

レニングラード・フィル、ムラヴィンスキー指揮のものでもイギリスや日本で録音されたものは、ステレオが多いのですが、ソ連での録音でステレオ、音の良いものとなるとかなり少なくなってしまいます。

ムラヴィンスキー・イン・モスクワ (The Art of Mravinsky in Moscow 1965 & 1972) は、モスクワでのレニングラードフィルの演奏。
これだけ高音質で録音されているのが奇跡的です。65年の演奏は、他の録音と比較してもかなり水準が高く、リマスターも含めて技術の高さをうかがえます。
60年代、70年代のムラヴィンスキー指揮は、キビキビ感が晩年に比べるとものすごく、ただ、重くならないという魅力あふれる音源が収録されています。

同じ曲の別テイクも入っています。そういう面では、ファン向けのディスクです。
なぜかチャイコフスキーの交響曲第5番の録音は今ひとつです。ショスタコーヴィチ、交響曲第6番は良いですね。

ブラームス/交響曲第3番の第4楽章がすごいです。第3楽章がとても有名な曲ですが、第4楽章のなだれ込むような演奏は、フルトヴェングラーと双璧かなと思います。

■ディスク概要

作曲: Glinka, Brahms, Beethoven, Glazunov, Wagner他
CD (2010/10/20)
ディスク枚数: 7
フォーマット: ボックスセット
レーベル: SCRIBENDUM
ASIN: B007PA7GZ0
JAN: 5060028045037
他のエディション: CD

 https://www.amazon.co.jp/ムラヴィンスキー・イン・モスクワ-Mravinsky-Moscow-1965-1972/dp/B007PA7GZ0

再販、SACDなどでも出されています。LP版もあるようですが、高価格だったと思います。
当初は、65年盤(4枚)と72年盤(3枚)が別個に発売されていましたが、最近は統合されて7枚組になっているようです。

 

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