クラシック音楽の聴きはじめは特に、本(雑誌等も)を読みました。
最初は、「はじめての~」「わかりやすい~」などの初心者向けのもの、慣れてくると評論家が書いたものになっていくのですが、評論家の書いたものは、筆者の好みが強く表れるようで、そこを加味して読まないといけません。
わかりやすい参考図書を選びました。数字は順位ではありません。
1、書名:新版 クラシックCDの名盤
著者:宇野功芳 中野雄 福島章恭
発行:2008年7月20日初版(文芸春秋)
年齢や立場の違う評論家3名の共著で、名曲のお気に入りの演奏を論じていきます。
クラシック音楽の主要な曲が抑えられています。3人の意見が合うことは少ないこと。合わなくても媚びることがないことです。
2、書名:新版 クラシックCDの名盤 演奏家篇
著者:宇野功芳 中野雄 福島章恭
発行:2009年11月20日初版(文芸春秋)
交響曲や管弦楽曲は、指揮者。器楽曲は演奏家別に評論されています。宇野氏は個人の思い入れが強く、それが好き嫌いあるかもしれません。
3、書名:新版 クラシックCDの名盤 大作曲家篇
著者:宇野功芳 中野雄 福島章恭
発行:2014年12月20日初版(文芸春秋)
名盤といわれるものを作曲家別に評論されています。3冊の中ではボリュームが最も少なく、十分やりきったのではないでしょうか。
この3冊を持っていれば、すでに発売されているCDや音源を聴く際の参考になりますし、好みに合いそうなものを探す手引きにもなります。
宇野功芳氏が、2016年に亡くなっているため、続編はないと思いますが、これからの新しい演奏にもいくつかの角度で評論するものがでても良いかもしれません。
4、世界の指揮者
著者:吉田秀和
発行:ちくま文庫
著者の吉田秀和氏は、2013年5月22日(98歳没)に亡くなっています。その時に書店に追悼コーナーがあり、購入したのが4、5の2冊です。亡くなる前月まで、レコード芸術に寄稿されていたので、高齢ではあったものの、突然という感じでした。
「世界の指揮者」は、
指揮者別に、演奏やレコードについて、詳しく解説されています。いわゆる伝説の指揮者の演奏を直に聴くことができた方で、生演奏に触れた方の言葉は説得力があります。
同じ指揮者でも、評論した年代により、評価が変わってくるところが面白いとおもいます。
楽譜や原文なども引用されていて、本ですがよりわかりやすいように作られています。
5、フルトヴェングラー
著者:吉田秀和
発行:河出文庫
様々な評論、対談の中からフルトヴェングラーに関わる部分をあつめたものです。
筆者は、実際にコンサートで聴いた感想、亡くなってからのレコードの評論、事細かに記されています。実際に聴いたことのある方は、日本人では当時海外に出られた方は、特に少ないと思います。もはや貴重な証言になってしまいました。
私自身、当初、フルトヴェングラーは、昔の指揮者でモノラル音源しか無いから、現代に聴くことは無いだろう。昔の人が懐かしむための演奏だろうと思っていました。ところが、聴き進めていく内にこれはとんでもない演奏だと思ってきました。まねしてもできない、演奏があります。(以前の記事)