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第50話 「レコード芸術」は永久か?

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永久に不滅といえば「巨人軍」ですが、クラシック評、レコード評の雑誌といえば、「レコード芸術(音楽之友社)」です。
しかし、「レコード芸術」は、雑誌の不況もある中、永久に続くのでしょうか。800号を迎えた長寿雑誌についてです。

■2017年5月号で800号
付録に創刊号がついているという豪華さ。
創刊が昭和27年ですから、66年程前になるのでしょうか。
創刊号を復刻するに当たってこれだけきれいに、復刻されたことはすばらしいことだと思います。
当時を再現すべく、広告類もそのまま。時代を感じます。当時はA5サイズだったそうで、付録サイズもそのままです。

記事やチラシからはトスカニーニ指揮のチャイコフスキー作曲「悲愴」が押しだったようです。

創刊号にざっと目を通し、通常の「レコード芸術」を見ますと、創刊号と構成やコーナー、執筆者は変わっているものの雑誌を貫いているコンセプトは変わらないように思います。

創刊号でも、レビューや評論があり、オーディオのコーナーも当時からあり、最新のものが紹介されています。当時は電蓄です。

■レコード芸術の購読をやめた

私は、2008年から3年ほど、毎月レコード芸術を購読していました。
クラシック音楽を聴くにあたって、情報収集が必要です。どんなCDを購入したらよいのか。
限られた小遣いの中で、購入するわけで、良くも悪くもレヴューが参考になりました。
インターネットでも情報収集はできますが、情報過多で絞りきれないことや販売が目的のものは良いことしか書いてなかったりと多少知識を得てから参考にしないと難しいかと思います。
レコード芸術に関して言えば、レヴュアー個人の趣味が入るので、良いものを聴き逃すこともあったかもしれません。

名曲・名盤などは好評の企画なのか、数年置きに行われています。

数年読んでいてわかってきたのですが、なんとなく年寄りの座談会のような感じを受けてきたのです。最近のという話題が、30年前のものだったり、執筆陣が高齢化していますから仕方ないのですが、繰り返しと古い話で、雑誌の価格が高いこともあり、購読を止めました。

毎月読むには内容が変わり映えしないのですね。連載も時々入れ替わりますが、なんとも時代にあっていない。配信についての連載も始まりましたが、得意ではないのか、不十分でした。

■吉田秀和氏、宇野功芳氏の死去
ここ数年で、長く評論を続けてきた両氏をはじめ、多くの執筆者が亡くなっています。
それぞれの個性を含めて、自分の聴き方と合うかを感じながらレヴューを見てきているので、新しい方が、厳しい評論をしても???と疑問が先に出てきてしまうのです。
評論についても学校等での教育が充実していますが、後継者が育っているわけでもなく、積み重ねてきた歴史と新鮮さを出すことに苦労しているように思います。

■まとめ
付録CDを聴いたことはなかったのですが、いよいよ付かないことになり、価格が100円下がりました。それでも、結構高価な雑誌です。内容は相変わらず濃いものだと思います。
歴史に則り新鮮さをだすという、矛盾で苦労していると思いますが、クラシックファンのいる限りは、大丈夫ではないでしょうか。
問題は、媒体としてのレコード(CD)がなくなっていくことです。カードでも何でも手元に残るコレクション要素があるからこそ、レコードが普及してきたのだと思います。何かよい手はないものでしょうか。
レコード芸術をもう一度購読するには、少し間を空けてと思っていますが、電子書籍で販売などしてもらえると、分厚い本だけに保管しやすいかとも思います。

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