2021年6月27日(日) F1グランプリ 第8戦 シュタイヤーマルクGP 決勝

レッドブル・ホンダが4連勝。1991年開幕からのマクラーレン・ホンダ以来の4連勝以来です。

かなり複雑なハイブリッドのパワーユニットになり、1年遅れてホンダはF1復帰しました。1年遅れたのは、その期間を開発期間に充てたというわけですが、あまりの不調に驚くほどでした。

「GP2のエンジン」と揶揄された、ホンダのパワーユニットでここまで勝てるようになるとは思っていませんでした。マクラーレンとの提携が終わってそのままさみしく撤退という事も十分考えられたわけです。

今回の4連勝についても、もちろんパワーユニットの良さだけで勝てるわけでは無く、車全体やタイヤ、ドライバーのうまさ等様々な影響もあるのですが、4連勝は実力があると見て間違いありません。

ホンダのパワーユニットの良さは、レッドブルだけではなく、決勝でのトップスピードがアルファタウリ・ホンダの角田選手がトップだったという事にも現れています。

トップスピードですから、ほんのわずかな差です。それでも以前のことを思えば驚きの進化です。

チャンピオン獲得も現実的になり、強くなればなるほど、悔やまれるのが今季限りでのホンダの撤退です。

来期、レッドブルが開発を継続して、圧勝したら、ホンダの事は、忘れられてしまいます。前回撤退した翌年に、ブラウンGPがチャンピオンになったような、悔しさを繰り返すことになるのでしょうか。

強いときは大抵そうなのですが、レース自体は、特に波乱も無く終わりました。

前回の4連勝は

前回の4連勝、1991年は、開幕からのアイルトン・セナの4連勝でした。

当時とは、グランプリ数やポイントも違いますが、当時は全部セナが勝つんじゃないか、マクラーレン・ホンダでチャンピオンは決まりじゃないか。という雰囲気がありました。

現に1988年には、マクラーレン・ホンダは16戦15勝とほぼ完璧なシーズンを送っていました。1988年はチーム内でのアイルトン・セナとアラン・プロストの対決があったのですが、1991年マクラーレン・ホンダのゲルハルト・ベルガーは、あまり乗り切れていない様子で、ドライビングスタイルの違いもあったのか、ベルガーの方には、良くマシントラブルも起きていました。

実際には、1991年はマクラーレンが席巻することは無く、その後、ウィリアムズ・ルノー/ナイジェル・マンセルの猛追を受けることになります。アドリアン・ニューウェイが加入して、空力に優れたマシンとなった、ウィリアムズは、トップスピードでは、マクラーレンに負けてもトータルで早い車を作りました。結局、序盤の信頼性や終盤の肝心なところでのミスが響きチャンピオンにはなれませんでした。

ちなみにウィリアムズFW14の復刻プラモデルが発売されるようです。スーパーディテールとのことで、定価12,800円(1/24ハセガワ)

1991年はウィリアムズの追い上げがすごかったという印象が残りがちですが、マクラーレン・ホンダは、ハンガリー、ベルギーとしっかり勝っていますし、日本では、ウィリアムズより早さを持っていました。ただ、この年を最後に、ホンダはチャンピオンから遠ざかっています。

話は現代に戻ります。

今回のシュタイヤーマルクGPについていえば、退屈なレースでした。

レッドブルリンクのコース幅やレイアウトを考えれば、もっとスリルのあるレースになっても良いものですが、現代のマシンの特性で近づくと姿勢が大きく乱れるためか思ったほど追い抜きシーンもありませんでした。

トップのフェルスタッペンも脅かされることはありませんでした。角田選手は10位入賞。普通に走れば、入賞はできます。普通に走るというのがなかなか大変です。角田選手には厳しい意見もありますが、年齢、経験等みれば、有望なことには変わりありません。トップドライバーもデビューの年は、つまらないミスもしてました。

根本的にF1がつまらなくなっていて、退屈なレースが増えています。セーフティーカーや天候で左右されるのは、本来のレースではありませんし。スタートしてほぼその順位で完走するなら、テストと同じです。車についてのレギュレーションも大幅な改定が必要だと思います。様々な改定は、FIAで検討されているところと思いますが、ファンが付いていて日本勢が活躍している内になんとかならないものでしょうか。

次週も、同じレッドブルリンクでオーストリアGPです。用意されるタイヤのコンパウンドが変わるため、同じような展開にはならないかもしれません。メルセデスはやはり怖いので、レッドブルには、少し連勝を続けてもらった方が後半に向けて面白いかもしれません。

POS DRIVER TEAM TIME PTS
1 フェルスタッペン レッドブル 1:22:18.925 25
2 ハミルトン メルセデス +35.743s 19
3 ボッタス メルセデス +46.907s 15
4 ペレス レッドブル +47.434s 12
5 ノリス マクラーレン +1 lap 10
6 サインツ フェラーリ +1 lap 8
7 ルクレール フェラーリ +1 lap 6
8 ストロール アストンマーチン +1 lap 4
9 アロンソ アルピーヌ +1 lap 2
10 角田裕毅 アルファタウリ +1 lap 1
11 ライコネン アルファロメオ +1 lap 0
12 ベッテル アストンマーチン +1 lap 0
13 リカルド マクラーレン +1 lap 0
14 オコン アルピーヌ +1 lap 0
15 ジョビナッツィ アルファロメオ +1 lap 0
16 シューマッハ ハース +2 laps 0
17 ラティフィ ウィリアムズ +3 laps 0
18 マゼピン ハース +3 laps 0
NC ラッセル ウィリアムズ DNF 0
NC ガスリー アルファタウリ DNF 0