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第13回 うなり声の聴こえるCD

交響曲
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心霊現象の話ではありません。

ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱」のコンサートを聴きに行った時の事。当時はまだ全体を把握していない状態でした。

■小林研一郎指揮/日本フィルハーモニー

その演奏は、小林研一郎指揮のものでした。
しかし、静かな会場に何とも言えない、うなり声が聞こえるのです。最初は、気のせいかと思いましたが、いくどとなく聴こえるので、なんだろうと思いましたが。
ただ、コンサートは素晴らしく、年末を終えたのでした。

会場で購入したCDを聴くと、やはりうなり声が聞こえるのです。気のせいではなかったのです。

のちに調べましたら、指揮者のうなり声だそうで、小林研一郎さんの場合それは名物になっているようです。

ところで、指揮者の小林研一郎氏は、同郷のいわき市出身です。

生い立ちから指揮者になるまで、そして現在と「小林研一郎とオーケストラに行こう」という本が出版されていて、クラシックの知識とともに深めることができます。

■意外と多い指揮者の声入りCD

小林研一郎指揮の「イーッ」という声で演奏とは異質なので、気が付きやすいですし、他のものも声入りのものが多いです。
CD評によっては、「気になる」「邪魔」というものもあります。指揮者の特徴としての、テンポの抑揚、日本人的な演奏を考えると、私は、なんか演歌を感じさせるものがあります。

きれいに整えられている、ポップス系のCDとは違って、クラシックのものは、ライブものも多く「足音いり」などわざわざ書いてあるものもあります。

他でみますと、先日亡くなった、スクロバチェフスキ(ミスターS)のものも結構声が聞こえます。
また、エリアフ・インバルは、鼻歌のように歌いながら指揮をしているようです。

チェリビダッケは、ここぞというときにかなり大きな掛け声をかける時もあります。

表現であったり、くせであったりとそれぞれですが、人間が演奏しているということを感じられて、それはそれで良いのかなと思います。

ライブCDでよくあるのは、観客の咳払いです。これは気になります。特に静かなところで。コンサートだとその時だけだから、気にならないかもしれませんが、CDだと繰り返し聴くので、それも含めての演奏になってしまいます。でも、リマスターをすると消えてしまう音もあるので、雑音も残したままの方が良いのだと思います。

■神経質すぎては楽しめない。

慣れないうちは、CDでもコンサートでも雑音が気になりました。飴の包み紙をいじる音でさえ耳に入ってきます。咳やプログラムをいじる音など。けんか腰で注意している人を見たこともありますが、それもどうかと。

しかし、ある時からあまり気にならなくなりました。
コンサートの観客は一人ではない。みんなで楽しむのだから、それも含めて楽しもうと。また、音楽に集中していると余計なものは気にならなくなります。そんな聴き方をしているうちにCDの雑音も気にならなくなりました。

子供と一緒に楽しめるコンサートなどは、泣き声や飽きた子供の話し声も聞こえますが、そう思っていけば、演奏する方は気になるかもしれませんが、気にならないものです。

■ライブCDの良さ

スタジオ録音、ライブ録音があり、スタジオ録音の方が、正確に演奏され、間違った部分は取り直されてより指揮者の理想に近い演奏がされています。

ライブ録音は、アクシデントも含めて、聴かせる対象が観客ですからいつも以上に熱い演奏をする指揮者が多いです。ただ、CDには入りきらない事もあります。
同じ曲目で両方出ている場合は、聴き比べも面白いです。

 

 

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