2019年10月30日、第46回東京モータショー2019に行ってきました。細かい情報は追々記載していきます。
率直に、今回のモータショーはこれまで私が経験したもので最悪のものでした。
■見本市という基本を取り違えたトヨタ
例えば、焼肉食べ放題に行って、「肉は動物がかわいそうだし、カロリーも高いので今日から野菜しか置きません。その変わり、映像で未来のお肉を見せます。映像コーナーは混んでいるので並んでください」と言われたら、大炎上するでしょう。
レストランもショーもある程度の予測の元お金を払って入場するわけです。
2009年リーマンショックの時には、参加企業が減って規模が縮小されて、かなり寂しいものがありましたが、あれはあれでモータショーでした。
最悪だったのは、天下の「トヨタ」です。
車を展示しない。見本が無い見本市ってあるか?
ブースは体験型です。しかし、平日に行っても行列です。時間や疲労もありますので、待つ気力はありません。体験できると言ってもだれが車の中で健康状態を知れることがメリットと感じますか!
家で分かれば十分でしょう。また、よくわからない、コンビニという名のものがありましたが、何をしたいのかよくわからず、よく許可が出たものです。
■オリンピックの関係で会場が離れすぎた
ビックサイトの一部がオリンピックの関係で使えないという会場の都合で、りんかい線の駅でいうと「国際展示場」と「東京テレポート」に分かれました。
徒歩で30分。シャトルバスもありますが待ちます。30分待って、20分移動にかかりました。
ゆりかもめは早いですが料金がかかります。
国際展示場から、移動したとして、トヨタつまんねーと思って、国際展示場に戻るのも大変です。
なお、傘下の日野やダイハツは通常の展示でした。(ちなみに西会場のレクサスもちゃんとしていました。)
提携のスバル等別に、東京テレポート方面(青海会場)が悪かったわけでもありません。
キッザニアは、平日ということもあり、一部の小学校が集団で体験しているようでしたが、閑散としていました。おそらく休日はすぐ満杯になってしまうのでしょうし、これは意味ないなと感じました。
将来性を見越して、子供にアピールすることを考えると、子供がしたくてもできないというのは、悪影響があるのではないのでしょうか。
■メガウェブさえ活用できていない
さらにがっかりなのは、メガウェブ。
トヨタが市販車や新型車の展示をしないのは、近くにメガウェブがあるからかとも思いました。
しかし、モータショーの特別仕様になっていました。暗幕がかけられ暗くなり、案内がなく降り口がわかりにくい。展示もドローンの大きいやつやロボット、古いCGなどわけがわからない。通路の真ん中でボールを投げるロボットがいるため、止まってくれと、足止め。さらに会場はエアコンなし。
どうした!トヨタ!
■車に興味が無い人はそもそもモータショーに行かない
モータショーに興味を持ってもらおうと、日本一の企業が考えた結果がこれだとすると、将来性が危ぶまれます。「終わりの始まり」かもしれません。
ここまでひどいのに誰も止めなかったのでしょうか。
車に興味が無い人は、そもそもモータショーに興味がないです。別なものを提案するなら、別なショーでやれば良いことです。
今回のトヨタの姿勢は、あまりに基本から逸脱しすぎです。困ったときこそ基本に立ち返ってやるべきで、こういうことをすると、次回に響きます。次回も同様なら、トヨタブースは避けます。
未来に向けたコンセプトの展示や体験と同時に、次に購入するかもしれない車を並べて見られるのもショーの目的です。モータースポーツの活躍もアピールできたでしょう。とにかく、今回のものは最悪でした。
■批判が少ないのが怖い
ネットなどを見ているとそんなに批判する記載もまだありません。
また、雑誌類は全くそういったものがありません。これから発売されるものがどうか。
例えば「モーターショー総括」のようなコラムが今後増えてくると思いますが、高評価のものが多いと日本の自動車業界全体が心配になります。
「モータショー」を名乗る価値はなくなり、「未来展」などとしたほうがよいのではないでしょうか。
■他のメーカは基本通り頑張っていた
ただ、悪かったのはトヨタだけです。新しい南会場もきれいで、マツダから見ましたが、技術や市販されている車の比較もできました。
トヨタの逸脱がひどかったのは、一人勝ちしては悪いので、他のメーカーを引き立てようという意図があるのではと思うほどです。
ただ、トヨタのような日本を代表する世界的な企業がこういうことを許可するというのは、非常に怖いものを感じます。