元社長が語る! セガ家庭用ゲーム機 開発秘史 ~SG-1000、メガドライブ、サターンからドリームキャストまで~
- 出版社 : 徳間書店 (2019/9/20)
- 発売日 : 2019/9/20
- 言語: : 日本語
- 単行本 : 176ページ
- ISBN-10 : 4198649847
- ISBN-13 : 978-4198649845
■「セガのファミコン」
SG-1000、カセットビジョン、ファミコンなどこの時期に様々な「テレビゲーム」が発売となりました。
任天堂のファミリーコンピューター(ファミコン)は、スクロール機能やスプライトの多色表示など、見た目、動きともに群を抜いていました。さらに、ソフトも充実。
「ポパイ」「ドンキーコング」「ドンキーコングJr.」など任天堂の「ゲーム&ウォッチ」で作り上げてきた良質なゲームを移植していました。「ゴルフ」「麻雀」などの大人向けのソフトもあり、任天堂がソフトも牽引しましたが、後に、他メーカー(サードパーティー)からのライセンス収入が主になっていきます。
ファミリーコンピューターは、14,800円。ソフトは初期の物だと3,800円と、手頃だったのだと思います。
ほぼ、同時期に発売されながら、性能では劣ったのが「セガ SG-1000」です。
キャラクターは、スプライト一色と組み合わせるため、奥行きが無く、画面もガクガクしています。
この本でも語られていますが「ろくなソフトがない」というのもあったと思いますが、お墓のような形のハードと見栄えしない画面、面白いソフトがない。となると売れるわけがありません。
任天堂のファミリーコンピュータが品薄になり、「セガのファミコン」です。と言って売ってしまったというエピソードもあります。
■「SG-1000」をプレイした思い出
隣家がSG-1000を持っており、遊ばせてもらったのですが、当時技術的にはわからない子供ながらに、ファミコンとの性能の差というのを感じたものです。
後に、比較して分かるのですが、同じ題材をSG-1000とファミコンで発売されている場合。
例えば、ファミコンの「高橋名人の冒険島」、SG-1000の「ワンダーボーイ」は同じ題材ですがかなりの差です。
他のものも、ゲーム性という部分では、SG-1000の方が良い場合もあるのですが、見た目では完全に負けてしまいます。
セガのハードは。少し金銭的に余裕のある家庭が持っていることが多かったようで、毎年のようにアップデートされるハードに付いていく方が多かったように思います。
セガは、毎年のようにハードをアップデートしていき、SG-1000、SG-1000Ⅱ、マークⅢ、マスターシステムと、付いていくのは大変です。マスターシステムになると、良い性能だったと思いますが、毎年ハードを購入するのは子供では無理です。
■売る側の思い
本を読むと、売る側としては分かってはいたんだと思います。
経営者としての見方は、原価がいくらでどのくらい売れるか。売上げの勝ち負けでは、大敗かもしれませんが商売としては成り立っていたようです。
ただ、メガドライブで大当たりし、セガサターン、ドリームキャストと規模が大きくなっていくと、出るお金も多くなり、厳しくなっていったようです。
■たぶん正直で面白く
この本は、インタビューを書き起こしたようなものです。同じような話しや、誤りもあります。中にいないと分からない話があり、面白く読みました。
「湯川専務は売れたけどドリームキャストは売れなかった」あたり、恨みもあったようです。時代を先取りしていて失敗する商売は多く、セガのハード事業もその一つかもしれません。
また、専門用語が多いのですが、簡単に解説されているので、わかりにくいということはありません。ボリュームとしては多くありませんし、成功した話しより失敗談が多く載っています。