1978年(昭和48年)のオイルショックがきっかけで、レコードが薄くなったと言われます。
1980年代のものと、1960年代のものを比べると重さが違います。80年代のものはペラっと感じるほどです。
新しいものでも価格は高くなりますが、「重量版」というのがあります。音の安定感がちがいます。
今日紹介するのは、
カール・リヒター指揮 モーツァルト作曲「死者のためのミサ曲 K626」(いわゆる レクイエムです。)
当時の価格で、2000円。テレフンケンレーベル。キングレコードから発売されています。
カール・リヒターは、1981年に54歳で亡くなっています。このレコードは、発売が1969年。演奏は1960年まだ30代前半です。
解説にも「生長途上(原文ママ)」とあります。
この時点で、成長途上というより、もう完成しているのではと思われますが。テンポは、比較的早く、好録音です。
様々な補筆版がありますが、聞きなれたジュスマイヤー版は安心して聞くことができます。
演奏は、古楽器ではないので、重厚です。歌唱陣が飛び出る感じはありますが、録音のバランスでしょう。
石井宏氏、高橋昭氏による解説もわかりやすく、丁寧です。
当時は、レコード1枚にかける力量が大きかったことがわかります。